前々回と前回は、主にChatGPTにおけるプロンプトの具体例をご紹介しておりましたが、今回はChatGPTのカスタム指示機能のご紹介です。この機能が実装された当初は、日本語での機能名はなく、単に「Custom Instrugtions」と呼ばれていましたが、ChatGPTのUI上も日本語訳されて「カスタム指示」と表示されるようになりました。
皆さまは、下記の図を覚えてらっしゃるでしょうか?
これは先月のセミナーの中でご紹介した図なのですが、「作業」とは、「背景」の理解を前提に、「入力」情報を元に「出力」結果を作る事であると定義したものになります。
これをChatGPTに置き換えると、「入力」と「背景」の部分がプロンプト(=ChatGPTへの指示)であるとご説明していました。
正確で意味のある「出力」を得るためには、「背景」情報をChatGPTに与える必要がありますが、スレッド(一連のチャットの連なり)を変える度に、同様の背景情報を伝えるのは手間に感じます。また、それだけではなく、同一スレッドであっても、プロンプトでのやり取りを繰り返すうちに、ChatGPTは与えられた「背景」情報を忘れることもあります。
カスタム指示機能(Custom Instrugtions)が存在しなかった頃には、「背景」情報を都度インプットし直し、ChatGPTに「背景」を思い出させる必要があったのですが、カスタム指示機能(Custom Instrugtions)を利用すれば、これを省略することができます。
カスタム指示では、主に2つの情報を設定しておくことができます。
1. ChatGPTにあなたについて何を知らせれば、より良い応答を提供できると思いますか?
ChatGPTにより推奨されている入力項目としては、「どこに住んでいるか?」「仕事は何か?」「趣味や興味は何か?」「目標は何か?」などがある。
2. ChatGPTにどのように応答してほしいですか?
ChatGPTによると「どの程度フォーマルであるべきか、カジュアルであるべきか」「応答はどの程度の長さが適切か」「ChatGPTは各トピックに対して中立であるべきか、意見を持つべきか」などを指示する。
ビジネス用途で使う上では、1には自社と自社を取り巻く環境などの背景情報を設定し、2にはChatGPTに期待する役割や応答する上での約束事を設定すると良いでしょう。
背景情報については、以下のようなものを入れるのが効果的だと思われます。
期待する役割を与えた方がChatGPTの応答精度が上がるという話は、セミナーでもお伝えしておりましたし、過去記事でも触れましたが、できるだけ具体的な役割を記載しましょう。以下は例となります。
こうした役割の定義は、応答の内容に大きく影響するため、ChatGPTを利用する上では必須です。
また、応答する上での約束事を定めるのも有効で、以下は弊社で利用した事のあるカスタム指示の例です。
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