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【限定記事】ChatGPTプロンプト例(マーケティング編)

作成者: Tadashi Shimizu|2023年9月26日

2023年9月15日の識学様との共催セミナー「生成AI時代における業務効率化の手法(ChatGPT活用の具体策)」に参加いただいた皆さまへの限定コンテンツとして、ChatGPTのプロンプト例を改めてご紹介しております。(この記事はURLを知っていれば、誰でも参照可能ですが、セミナー参加者及び登録者の方に限ってご案内しております)

前回はウェブサイト構築への活用例をご紹介しましたが、今回はマーケティングへの活用例となります。

マーケティングに活用する際のプロンプトの流れ

セミナーでもお伝えしたマーケティングへのChatGPT活用の流れは以下の通りです。顧客の姿や商品の独自性を掘り下げた上で、ターゲット向けのPR文章を執筆させる等の使い方が有効です。ChatGPTの特性上、前例が見当たらないような特殊な商品を売り込むようなPR文を書く事は難しいですが、それでも考え方の抜け漏れを防止する上では、役立ちます。

1. ターゲット顧客の明確化
 商品の情報を元に、見込み客のターゲット層とその悩みを洗い出す。
  
2. 顧客の問題・欲求の分析
   ChatGPTに、顧客が解決したい問題や満たしたい欲求を理解させる。
 ベネフィットや悩みを多角的に掘り下げる質問を繰り返すことで、ターゲット顧客の問題と欲求を掘り下げる。

3. 商品の独自性の明示
   商品の独自性については、ChatGPTの回答がそのまま使えるケースは稀である。
   但し、必要な情報を与えた上で、ChatGPTに商品の売りがなんであるかを理解させておくことは必要なプロセスである。

4. PR文章の執筆
   ここまで分析してきた顧客の問題や欲求、商品の独自性やベネフィットなどを元にPR文章を執筆させる。
   PASやPASONAフォーミュラなどの一般的なセールスレター形式であれば、ChatGPTが理解して書いてくれる場合もある。

売り込みたい商品そのものの情報は、ChatGPTにインプットする必要はあるものの、一般的な型であれば、複数の文章案を生成して、その比較検討ができるため、かなり便利なプロンプトだと思います。

 

ターゲット顧客の明確化

セミナーの中では、新商品の架空のお菓子(プロテイン摂取に効果的な菓子)を想定し、見込み客とその悩みに関するChatGPT活用プロンプトを紹介しました。

最初のプロンプトは、たった2行です。

プロンプト)
「プロテイン摂取に効果的なお菓子」のセールスレターを作りたいと考えています。
このテーマに関して、見込み客はどんな人で、どんな悩みがあるでしょうか?

 

商品の名前や特徴、独自性などは、後から入力するため、このタイミングでは、大まかな商品ジャンルが分かっていれば良いでしょう。そして、以下がChatGPTからの回答でした。

回答)
「プロテイン摂取に効果的なお菓子」のテーマに関して、見込み客や彼らの悩みを以下のように考えることができます。

見込み客のターゲット層:
フィットネス愛好者・アスリート: 筋肉の回復や成長のためにプロテインの摂取を意識している人々。
ダイエット中の人: 低糖質、高タンパクのスナックを探している人々。
忙しいビジネスマン・ビジネスウーマン: プロテイン摂取を維持しつつ、手軽に食べられるスナックを求める人々。
ヴィーガンやベジタリアン: 動物性のプロテイン源を避ける人々のための植物性プロテインスナックを求める人々。

見込み客の悩み:
おいしさ: 一般的なプロテインバーやスナックは風味や食感が劣ると感じることが多い。
価格: 高タンパクの製品は一般的に価格が高めであることが多い。
成分: 合成保存料や添加物、糖質の量など、健康に関する懸念材料を含む製品が多い。
摂取量: 日常の食事だけでは十分なプロテインを摂取するのが難しい。
手軽さ: 忙しい日常の中で、簡単に摂取できるプロテインのソースが欲しい。

セールスレターを作成する際には、これらのターゲット層と彼らの悩みを念頭に置きながら、どのようにあなたのお菓子がこれらのニーズに応えるのか、そのメリットを明確に伝えることが重要です。


ChatGPTを活用せずにセールスレターやPR広告を制作する際も同様ですが、ターゲット層の人物像や見込み客の悩みのどの部分にフォーカスするかは、決めておく必要があります。(すべてのターゲット層のすべての悩みに訴えかける文章を作成しようと試みると、結果として、誰にも刺さらない文章ができ上ってしまうでしょう)

よって、上記の回答結果から何にフォーカスするのかは、指示をした貴方が決める必要があるのです。

今回は、忙しいビジネスウーマンで、既存商品の価格に不満を持っている人物にフォーカスすることにします。

 

見込み客の問題・悩みを掘り下げるプロンプト例

ここから見込み客の問題・悩みを掘り下げていくのですが、最初にするべきは、ChatGPTの役割定義と文章執筆の方針提示です。

プロンプト)
あなたには、これから以下の作業を実行してもらいます。

目的:PR用の文章を執筆する。
役割:あなたは経験豊富なセールスライターとして振舞ってください。
ターゲット:高タンパクの既存製品は一般的に価格が高めであることに悩みを感じている多忙なビジネスウーマン(以下、佐藤さんと呼びます)
商品:市場の商品よりも安価なため、手軽に食べることができるプロテイン菓子。以下、「プロテインチョコ」と呼ぶことにします。

理解できましたか?

回答)
はい、理解しました。

目的: PR用の文章を書くこと
役割: 経験豊富なセールスライター
ターゲット: 既存製品の価格の高さに悩む忙しいビジネスウーマン(佐藤さん)
商品: 市場の商品より安価で手軽な「プロテインチョコ」

これをもとに、PR文章を執筆いたします。

 

このプロンプトでは、目的と期待する役割を明示していることがポイントです。

ひとつ前のプロンプトの回答からターゲットとその悩みを絞り込んでおり、この人物に架空の名前を与えています。また、商品のネーミングも仮案で「プロテインチョコ」と名付けておきます。※但し、商品名などは商品の独自性を深堀りした後に、ChatGPTに改めて複数案を提示させるのも面白いと思います。


ここから問題・悩みの掘下げに入るのですが、まずは商品から得られるベネフィットを回答させてみます。

プロンプト)
プロテインチョコは、安価で手軽に食べられて、プロテインも摂取できるチョコ菓子ですが、これは佐藤さんにとって、どのようなベネフィットがあるでしょうか?5つ箇条書きにしてください。

回答)
佐藤さんにとっての「プロテインチョコ」のベネフィット:

1.経済的: 高価なプロテイン製品に頼らず、手頃な価格で日常的にプロテイン摂取が可能となり、経済的負担を軽減できる。
2.時短: 忙しい日常の中での食事の準備やプロテインシェイクの作成時間を節約し、サッと摂取できる。
3.美味しい摂取: 従来のプロテインバーやドリンクと異なり、おいしいチョコの味でプロテインを楽しく摂取できる。
4.持ち運びの手軽さ: 小分けにされたパッケージで、バッグに入れて持ち運ぶことが容易で、オフィスや外出先でも手軽に食べられる。
5.健康と美容: 必要なプロテインを摂取することで、筋肉の維持や美容、健康のサポートが期待できる。

このようなベネフィットを通じて、佐藤さんのライフスタイルに合わせたプロテイン摂取の新しいスタイルを提案できます。


箇条書きで5つと指示したため、事前に決めた佐藤さんの悩みとは別の要素も出てきてしまいましたが、この辺りの整合を取るのは、ChatGPTに指示する人間の役割です。とは言っても、改めて、この菓子のベネフィットを眺めると、忙しいビジネスウーマンである佐藤さんにとっては、経済的かどうか以上に時短がベネフィットになりそうな気がしました。

よって、時短について、掘り下げてみたのが、こちらのやり取りです。

プロンプト)
では、2番の時短に関して、佐藤さんにとって「プロテインチョコ」が無いと、どのような悩みや問題を抱えるでしょうか?

回答)
佐藤さんが「プロテインチョコ」を持たない場合、関連する悩みや問題は以下のようになるでしょう:

食事の準備時間: 忙しい日常の中で、高タンパクの食事を用意するための時間がかかる。
これは特に朝の時間帯や昼休みに時間的制約がある場合に問題となる。
プロテイン補給の煩雑さ: タンパク質を十分に摂取するためには、プロテインシェイクを作るための時間や道具、材料の準備が必要になる。
外食時の制限: 外食先でのメニュー選びで、十分なタンパク質を確保することが難しい場合がある。
継続的な摂取の難しさ: 一定のプロテイン摂取を継続するための努力や計画が必要になる。
スナック選びの難しさ: 健康を意識しながらも、忙しい中で手軽に摂れる高タンパクのスナックを見つけることが難しくなる。

 これらの悩みを解決するために、「プロテインチョコ」は時短という観点で非常に有効なソリューションとなります。

商品のベネフィットを起点に佐藤さんの悩みや問題が生成されているのが分かると思います。

この他、ターゲットとなる見込み客の問題を多面的に探るために、この悩みを感じているときの気持ちや具体的な口癖などを聞いても良いでしょう。

 

次回予告

次回については、セミナーでは触れることができなかったChatGPTの機能を深堀りしてみたいと思います。